パチンコまめ知識

パチンコ業界の将来性ってどんな感じ?

ホール数や遊技人口の減少など業界全体の「斜陽化」が度々話題になるパチンコ産業。転職先としてこの業界を考えた場合、どうしてもこれらのニュースが目について、その将来性が気になるかも知れません。果たしてパチンコ産業は本当に斜陽化してるのでしょうか。ここでは将来性の観点からパチンコ産業について考えてゆきます。転職の際の参考にされてください。

目次

遊技人口の減少とホール数について

将来性のある転職先かどうかを考えるにはまず、遊技人口とホール数の減少について考える必要があります。パチンコについて昔を知る人は、当時の状況について「国民の娯楽」「娯楽の王様」などと表現する事があります。これは一般的には1995~1998年頃を指すとされ、ホール数・遊技人口がピークを迎えた年と重なります。

ホール数のピーク:1995年(1万8,244軒)※警察庁調べ
遊技人口のピーク:1998年(約3,000万人)※レジャー白書調べ

警察庁の統計は休業店舗も含み、レジャー白書の調査はあくまでも統計学上の概算なので多少のブレはあるかもしれませんが、概ね1995~1998年頃を境にホール数・遊技人口は急激に減少しはじめ、これをして「業界全体のシュリンク」あるいは「斜陽化」などと表現されます。

「ホール数」「プレイヤーの数」にフォーカスして考えると確かにシュリンクしてるとも考えられますが、そもそもの人口が減少していること、また人口ピラミッドが歪になり高齢者数が増加していることなどを考えると「プレイヤー数」減少していることがイコール斜陽化とは言えず。より大切なのは実際の業界規模です。

と、その前に「業界規模」についてすこし解説します。

他業界とすこし違う?「業界規模」の意味

業界規模は一般的にはその産業に属する主要企業の売上合計を指します。パチンコ業界の場合はホール以外に「メーカー」があり、そちらも主要産業ではあるのですがそれは一旦おいておき「ホール」のみをカウントすると、全盛期がおよそ30兆円規模だと言われていました。

30兆円というのは物凄い金額でちょっと驚いてしまいますが、ホールにおける売上はいわゆる「貸玉料」であり、賞品の払出しなどは考慮されておりません。競馬や競輪などを含むギャンブルの際に胴元が取る利益を「控除率」といいますが、パチンコはこれがおよそ10~15%程度と言われています。つまり9割はユーザーに還元し、残った90%で企業活動を行う事になります。これを「粗利」といい、それでいうとピーク時がおよそ3兆円程度だったということです。

残った粗利のから台の購入や人件費そして土地建物代等の支払いが行われる。つまりパチンコ業界というのは巨額の現金が動くのは間違いありませんが、その大半がお客様に還元されるという産業的な特性上、じつはかなり薄利多売の収益構造をしているのです。

よくパチンコ業界を悪しざまに語る際は「30兆円」という単語が用いられますが、まるで30兆円全てが利益になっているような論調で語っている人がいたら「それは違うよ」と優しく教えてあげたいものですね。

業界規模の変化はゆるやか

話が若干それましたが、上で説明した「業界規模」でいうと、2022年が14.6兆円(船井総合研究所調べ)でありピーク時から半減しているとはいえ遊技人口・ホール数の急激なシュリンクからするとまだゆるやかなほうです。

2022年のホール数:1万8224軒→7,665軒(※警察庁調べ)
2022年の遊技人口:約3,000万人→720万人(※レジャー白書調べ)
2022年の総売上:約30兆円→約14.6兆円(※船井総合研究所調べ)

それに対しホール数および遊技人口はいずれも1/4程度になっており、業界規模(総売上)の変化がいかにゆるやかかが見て取れます。この理由は復数ありますが、まずは「店舗の統廃合・大型化が進んだこと」が挙げられます。小型店舗が大型化したことで総数自体は減っていますが減少店舗数から受ける印象よりは設置台数が減少してないのです。

もうひとつ「遊技時間」「滞在時間」が長時間化していることも理由の一つ。95年頃のように「空いた時間にちょっとだけ打つ」というスタイルが主流ではなくなり、休みの日に朝からしっかり打つ、あるいはある程度の時間を確保して長時間打つというのがデフォルトになりました。これにより「パチンコを軽く嗜む」程度のカジュアルプレイヤーが減少すると同時にパチンコを「趣味」として足繁く通うヘビーユーザーの比率が高まったこと。このような構造の変化が「ホール数と遊技人口は1/4になったが、業界規模はそこまで急激には減少していない」というデータを生み出すことになったのでした。

将来性は「十分魅力的」なものです!

以上を踏まえパチンコ業界の将来性を論じるに、総数が減っているのだから総売上が減ってるのは当たり前であるにも関わらず、総売上の減りが店舗数等の減少に対してゆるやなかな事から「むしろ個店単位の収益力はピーク時より伸びている」という結果になっています。また統廃合によりチェーン店の存在感が以前より増しており、社会的な信用や待遇が担保された「大手」が次々と出現しているのも見逃せません。したがってパチンコがいわゆる「娯楽の大様」だったピーク時よりも「パチンコ業界への転職」の魅力は高まっており、「将来性」についても「今日明日でいきなり無くなってしまう業界」ということは絶対になく、あまり神経質に考える必要はないでしょう。

以上が「パチンコ業界」への転職を考える人が一度は考える「将来性」についての豆知識でした。ピーク時より確かにシュリンクしているのは間違いありませんが、むしろ個店でみると売上が上がっているのは見逃せません。今後もよりその傾向は高まっていくかもしれないので、転職先を選ぶ際には、しっかりと将来性を見据えた企業選びをしましょう!

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