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【パチンコ業界情報】投資・参加人口・遊技時間は? 2023年パチンコユーザー動向データ
最終更新日:パチンコ業界で転職をするならば、投資金額などユーザーに関するデータを知っておくことは重要です。webやSNSでは無数のパチンコパチスロファンや情報系サイトが感想や持論を発信していますが、データに基づいた信頼性のある情報であるとは限りません。
ユーザーの行動が投資金額や出玉に影響される個人の心理や感情に左右されるのは事実ですが、それを限られた範囲の少ないサンプルで測るのは信頼性がありません。しっかりとした調査やアンケートを基にしたデータを知っておくことが、転職時の面接やパチンコ業界での業務に必ず役に立つはずです。
以上を踏まえて、本コラムでは投資金額などパチンコ業界の主にユーザーに関するデータをご紹介します。 ※本コラムのデータは、主に日本遊技関連事業協会(日遊協)がリリースしている「遊技業界データブック2023」を引用・参照しています。
目次
パチンコパチスロユーザー参加人口の推移
はじめに「レジャー白書2022」による1994年から2021年にかけてのパチンコパチスロ参加人口を見てみましょう。
1994年 | 2930万人 | 2008年 | 1580万人 |
1995年 | 2900万人 | 2009年 | 1720万人 |
1996年 | 2760万人 | 2010年 | 1670万人 |
1997年 | 2310万人 | 2011年 | 1260万人 |
1998年 | 1980万人 | 2012年 | 1110万人 |
1999年 | 1860万人 | 2013年 | 970万人 |
2000年 | 2020万人 | 2014年 | 1150万人 |
2001年 | 1930万人 | 2015年 | 1070万人 |
2002年 | 2170万人 | 2016年 | 940万人 |
2003年 | 1740万人 | 2017年 | 900万人 |
2004年 | 1790万人 | 2018年 | 950万人 |
2005年 | 1710万人 | 2019年 | 890万人 |
2006年 | 1660万人 | 2020年 | 710万人 |
2007年 | 1450万人 | 2021年 | 720万人 |
かつては「パチンコファン3000万人」と言われた時代もありましたが、2021年では720万人と約4分の1まで減少しています。
減少幅が大きいのは、パチンコ機の社会的不適合機の自主撤去を受けた1995~1998年、パチスロ機の4号機型式試験終了によるみなし機の完全撤去を受けた2006年~2007年、そしてコロナ禍の影響を受けた2020年です。
特に2020年は、遊技機のポテンシャルの低下を余儀なくされた改正遊技機規則の経過措置期間だったことや、改正健康増進法の施行で施設内が原則禁煙となったことも要因に加えられます。
パチンコパチスロユーザー参加率・平均投資・平均回数
次に公益財団法人日本生産本部の「レジャー白書2022」より、2007年から2021年にかけてのユーザーのパチンコパチスロの参加率・平均投資・平均回数を見てみましょう。
以下の参加率は「年に1回でもパチンコをした人の割合」です。その人たちの中から年間の平均活動回数・平均投資・1回あたりの投資を算出しています。
年 | 参加率 | 年間活動回数 | 年間平均投資 | 1回あたり投資 |
2007年 | 13.1 % | 25.6 回 | ¥101,500 | ¥3,960 |
2008年 | 14.3 % | 29.6 回 | ¥122,900 | ¥4,150 |
2009年 | 16.8 % | 20.4 回 | ¥75,000 | ¥3,680 |
2010年 | 16.3 % | 19.9 回 | ¥77,100 | ¥3,870 |
2011年 | 12.3 % | 27.8 回 | ¥93,700 | ¥3,370 |
2012年 | 10.9 % | 27.4 回 | ¥97,100 | ¥3,540 |
2013年 | 9.6 % | 27.5 回 | ¥73,200 | ¥2,660 |
2014年 | 11.4 % | 22.8 回 | ¥85,200 | ¥3,750 |
2015年 | 10.6 % | 32.4 回 | ¥99,800 | ¥3,080 |
2016年 | 9.3 % | 29.8 回 | ¥88,900 | ¥2,980 |
2017年 | 9.0 % | 29.4 回 | ¥85,100 | ¥2,890 |
2018年 | 9.5 % | 28.5 回 | ¥81,800 | ¥2,870 |
2019年 | 8.9 % | 31.7 回 | ¥103,400 | ¥3,260 |
2020年 | 7.2 % | 29.5 回 | ¥89,500 | ¥3,030 |
2021年 | 7.3 % | 31.8 回 | ¥94,200 | ¥2,960 |
赤字が各データの最大値、青字が最小値となります。
2007年から2008年が過去で最もホール数が多い時期であり、それがユーザーの年間の平均活動回数・平均投資・1回あたりの投資にもつながっています。
参加率が2009年以降減少傾向にある中で、2019年の平均活動回数・平均投資が上昇しています。これはユーザーのマニア化・ヘビーユーザー化の進行がうかがえるものです。そしてコロナ禍の2021年の参加率・活動回数は、ともに過去最低・過去最高に近い数値となっており、その傾向は顕著になってきています。
1日当たりのパチンコパチスロユーザー投資・遊技時間
続けて日本遊技関連事業協会(日遊協)の「パチンコ・パチスロ ファンアンケート2022」から、ユーザーの1日当たりの投資や遊技時間について見てみましょう。
●2019~2022年の1日当たりの投資
投資範囲 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
~3000円 | 4.4 % | 6.1 % | 5.7 % | 5.7 % |
3000~5000円 | 9.1 % | 9.7 % | 10.7 % | 9.7 % |
5000~1万円 | 20.0 % | 19.1 % | 19.9 % | 18.8 % |
1~3万円 | 40.3 % | 39.2 % | 39.8 % | 40.3 % |
3~5万円 | 16.9 % | 16.8 % | 15.7 % | 18.7 % |
5万円~ | 8.3 % | 9.1 % | 8.2 % | 6.8 % |
平均 | 21,169.6円 | 21,111.4円 | 20,439.7円 | 20,893.3円 |
※投資範囲は「○○以上、△△未満」
基本的に最も大きい層は「1~3万円」で約4割を占めています。次いで「5000~1万円」、「3~5万円」です。そして大勢としては3万円未満が7割以上、平均投資が21,000円前後であることからおおよその傾向が見えてきます。
なお、上記は遊技にあたっての貸玉・貸メダルなどの「使用金額」であり、出玉による景品交換などによるリターンは含まれていません。
●2020~2022年の1日当たりの遊技時間
【平日】
時間 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
~1時間 | 4.8 % | 4.5 % | 5.9 % |
1~3時間 | 31.8 % | 29.3 % | 28.7 % |
3~5時間 | 34.8 % | 34.4 % | 33.9 % |
5時間以上 | 23.4 % | 26.9 % | 24.4 % |
遊ばない | 5.2 % | 4.8 % | 7.1 % |
【休日】
時間 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
~1時間 | 3.0 % | 4.2 % | 5.3 % |
1~3時間 | 21.0 % | 21.6 % | 22.1 % |
3~5時間 | 32.8 % | 32.5 % | 32.6 % |
5時間以上 | 33.6 % | 35.6 % | 31.9 % |
遊ばない | 9.6 % | 6.1 % | 8.0 % |
※時間は「○○以上、△△未満」
昨今のパチンコパチスロにおける機械仕様の性質上、1時間未満はごく少数となっています。
また平日と休日での違いが分かりやすく出ており、平日は「3~5時間」次いで「1~3時間」が多いのに対して、休日は「5時間以上」次いで「3~5時間」(2022年を除く)となっています。
共通して言えるのは平日で2割以上、休日で3割以上を占める「5時間以上」の多さでしょう。他のレジャーと比較しても時間は突出しており、パチンコパチスロが長く緩やかに楽しめる時間浪費型の娯楽であることがうかがえます。
以上の使用金額や遊技時間のデータを総合すると、平均的なユーザー像としては「1日で2万円ほど投資して5時間前後楽しむ」と言えるでしょう。
パチンコパチスロに対するユーザーの不満点
最後に同じく「パチンコ・パチスロ ファンアンケート2022」から、2022年のユーザーがパチンコ機・パチスロ機に抱く不満点について見ていきましょう。
なお、アンケートは選択式で複数回答が可能になっています。
【パチンコ機】
あまり連チャンしない | 35.2 % |
大当たりしにくい | 32.8 % |
音がうるさい | 32.7 % |
あまりお金をかけずに遊べない | 27.4 % |
大当たり時の出玉が期待できない | 23.8 % |
長時間遊べない | 21.1 % |
光がまぶしい | 18.2 % |
短時間で遊べない | 13.1 % |
遊び方がわかりにくい | 11.7 % |
演出が楽しくない | 9.1 % |
機種毎に特徴がない | 8.1 % |
攻略要素が弱くて面白みに欠ける | 6.9 % |
操作性が良くない | 5.0 % |
好きなタレントやアニメの機種がない | 4.1 % |
連動アプリの内容が充実していない | 2.4 % |
楽曲や効果音がよくない | 2.3 % |
あてはまるものはない | 2.6 % |
不満な点はない | 9.5 % |
【パチスロ機】
あまり連チャンしない | 28.4 % |
大当たりしにくい | 26.1 % |
大当たり時の出玉が期待できない | 25.6 % |
あまりお金をかけずに遊べない | 24.2 % |
音がうるさい | 21.2 % |
長時間遊べない | 17.9 % |
遊び方がわかりにくい | 17.0 % |
短時間で遊べない | 16.6 % |
光がまぶしい | 11.2 % |
目押しが難しい | 10.8 % |
攻略要素弱く面白み欠ける | 8.7 % |
演出が楽しくない | 6.7 % |
機種毎に特徴がない | 6.3 % |
好きなタレントやアニメの機種がない | 3.5 % |
操作性が良くない | 3.5 % |
連動アプリの内容が充実していない | 2.0 % |
楽曲や効果音がよくない | 2.0 % |
上記にあてはまるものはない | 5.6 % |
不満な点はない | 14.3 % |
上位にある「あまり連チャンしない」「大当たりしにくい」などの選択率の高さは、パチンコパチスロが射幸性を持つ娯楽である以上、不満として挙がるのは致し方ないでしょう。
また、「大当たり時の出玉が期待できない」「あまりお金をかけずに遊べない」などは、同様に射幸性の裏返しでありつつ、昨今の遊技機のスペックに対する不満とも言えます。パチンコ機とパチスロ機で比較すると、パチンコ機の方が「あまりお金をかけずに遊べない」の順位が低いのもその表れと言えます。
射幸性に関連しない回答として注目すべきは、「音がうるさい」の選択率の高さでしょう。そもそも遊技機は玉・メダル・リールなどから機械音が発生します。それに負けない演出音(効果音やBGM)を遊技機は出す必要がありますが、昨今はその過激化が進んでいます。
開発メーカーは他機種との差別化のために、刺激的な音を使用して基本音量も大きめに設定する傾向があります。この音量問題は対外的なホール騒音だけでなくユーザー同士のトラブルの原因にもなり得るので、パチンコ業界で働く際には心に留めておきましょう。
以上、パチンコ業界の主にユーザーに関するデータを見てきました。簡単にまとめますと、
・パチンコ参加人口はかなり減少している
・ユーザーのマニア化、ヘビーユーザー化が進んでいる
・ユーザー平均像は「1日で2万円ほど投資して5時間前後楽しむ」
・遊技機のスペックや音量の大きさに対する不満が多い
と言えるのではないでしょうか。
パチンコ業界は、当然お客様によって成り立っています。そしてパチンコ業界で転職するならば、そのユーザーの数や性質、経済事情や行動心理を知っておくことは転職の成功やパチンコ業界でのキャリアアップにもつながるはずです。
今後もwebやSNSなどから見受けられる個々の情報に惑わされず、パチンコ業界のデータをチェックして正しい情報をアップデートしていきましょう。